夜空にはロマン溢れる壮大なドラマがあります!!
是非一緒に夜の空を旅して見ませんか??

【おばけくじらのティアマート】たまには星座神話の悪役も紹介

おはようございます、幾顆蜜柑です。

星座神話には様々な登場人物がいます。魅力的で格好良い人物にスポットが当たりがちですが、たまには悪役にもスポットを当てて見たいと思います。他にも脇役になりがちな星座も紹介します。

 

 

くじら座のティアマート】海のクジラとは違います

南の空に現れるくじら座は、あまり明るい星がないので見つけるのが難しいかもしれません。それがおばけくじらの異名なのです。でも丁寧に星を結んでいけば、徐々に空に横たわるティアマートが姿を表す筈です。くじらの一番の見所は、何と言っても心臓部にあたる赤色の変光星ミラです。322日の周期で2等星から10等星まで明るさを変えるので、肉眼では見えるときと見えない時があります。「ミラ」とは不思議なとか驚異的なという意味があり、17世紀ポーランド天文学者へベリウスが名付けました。ミラは同じ季節でも見えない時期があり、6等星以下になると暗くて見えなくなってしまいます。天文学者へベリウスの前にミラを発見した人物がいます。

 

【自分の運命を見事的中】牧師ファブリチウスの予言

今から400年前、ドイツの牧師ファブリチウスという人物がいました。彼は優れた天文学者ケプラーやティコと交流があり、星に詳しい牧師として有名でした。彼は明け方、木星を見ようと空を見上げると見慣れない星が光っていることに気付きます。13年後、空を見上げて再びその星を見てみると更に明るくなっていることに驚きました。この星こそが変光星ミラだったのです。この様な大発見をした彼でしたが、占星術としての知識もあった彼は、村人からガチョウ泥棒の犯人が誰なのか探して欲しいと依頼を受けます。その犯人を次の日曜に発表する事を約束したファブリチウスは、突然駆け寄ってきた農民に刺されてしまいます。なんとその日は、ファブリチウスが自分自身で予言した厄日だったのです。

 

【本当に心臓みたい??】変更の様子を観測してみよう

ミラの変光周期は長周期変光星とも言われています。それだけ長期的に光度が変わるのです。ミラは2等星から10等星まで大きく明るさが変化します。目測をする場合は10日から2週間に1度みて記録に残しましょう。明るい時は肉眼で観測し、6等星位は双眼鏡、暗くなって見えない時は双眼鏡で観測し、グラフで光度目測をグラフに記入しましょう。

 

【ミラの正体は一体】赤色超巨星の謎

天文学者へベリウスがミラと名付けてから、更に詳しい観測が行われました。現在では一番明るくなる極大光度の予想日時が天文年間にも載っています。ミラが変光する理由は、風船のように大きくなったら小さくなったりすることによるものと考えられています。まさにおばけくじらの心臓に相応しい異名です。ミラの変光は、私達がイメージしているものとは逆で、大きく膨らんでいる時は暗く、小さく縮んでいる時は明るくなります。何故そのような事が起きるかというと、大きく膨らんで表面の温度が下がると酸化チタンなどの濃い雲が発生する為だと考えられています。イメージ通りのティアマートですが、星座神話では女怪メドゥサの首をペルセウスに突きつけられ、最後は石くじらとなってしまいます。

 

【立派な兄の隣にいるよ】こうま座はペガススの弟馬

天馬ペガススと重なるように逆さに描かれてる、顔だけの子馬がいます。その子馬の正体は、ペガススの弟馬「ケレリス」と呼ばれています。こうま座は頭だけの小さな星座なので、馬の顔や馬の一部とも呼ばれていました。天馬ペガススの鼻先に見えるので、是非忘れないであげて下さい。

 

主役やヒロインに光が当たりがちですが、折角夜の星座の話なので悪役や脇役にも光を当ててあげたいと思いました。特に弟馬のケレリスは、兄が偉大なだけに肩身が狭い星座となっているので、星座神話にはありませんが、伝令新ヘルメスが乗馬の名人カストルに与えた馬とも言われているので、ペガススの大四辺形とセットで見つけてあげて下さい。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!